一、天地の恩
 天地は万物の生命の親である。太陽、月、空気、大地、火、水、草木、石油、金属、米、麦、きんじゅう、魚介、虫類に至るまで全て天地の産物である。人間は万物の霊長として、天地を支配しているが、天地の恵みなくして瞬時も生きてゆけない。

二、親の恩
 生みの親、育ての親は地上最大の恩人であり、最愛の隣人である。人間はこの世に生をうけ、父母の愛育教養なくして一人前の社会人に育つことはできない。
 親の恩を知らず親に感謝できない人間が、他の如何なる人に真心をつくし、いかに神仏に祈ろうとも心が通じず、幸福が実現しない。

三、師の恩
 人間は生まれて父母より言語を学び、歩行を学び善悪を学ぶ。幼児になりて、父母の手にひかれて、幼稚園の門をくぐってより小中高校、大学へと進み、学問の道を学ぶ。
 師とは先生であり、教えの親である。教えの親とは学校の先生だけではなく、仕事、趣味、スポーツ等、本来の物事を教え導いてくれる指導者を言う。

四、社会の恩
 社会は生活の恩である。企業に就職しては企業が生活の親であり、事業を興してはお得意先も従業員も生活の親である。この他人間社会を構成する全ての人々、施設、文化等も、生活の親であり、これらの一切のものに感謝報恩することが、人間として最も尊い生き方である。

東明館館長 三田 東明

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